京都を拠点に作品を制作するアーティスト有瀬 龍介 の個展「Love, contradiction」のキュレーションを行いました。
・企画、文章執筆、空間設計、設営
「Love, contradiction」
有瀬氏の作品の特徴は、”もの”や”日常の事象”などの「現実を見つめる眼差し」と「ファンタジー」の融合、「完成を冷静に見据えた上で描き出される線や色彩」と「偶然性に委ねた線や色彩」など、一見すると相反する要素が作家独自の視点で混ざり合い、絶妙なバランスで作品を構成している点です。
作品の完成に対する冷静さと、瞬間で作る線や色遊びに近い感覚の駆け引きによって生み出される作品は、独特の世界観をもって鑑賞者を引きつけます。
独自の観察眼を通して生み出される作品からは、純粋な日常への賛美と同時に、作家が見つめる社会へのユーモアや皮肉も感じられます。
今回の展示では、小さな作品が組み合わさってできた立体コラージュ作品「パッチワークシリーズ」、つぼの中に様々な模様や動物が描かれた「壺シリーズ」、アイヌの文様から着想を得た「アイヌシリーズ」、猫や宝石など様々なモチーフが描かれた「コレクションシリーズ」で構成されています。
一見すると関連性のない作品群を展示することで、作家のなかに一貫する、物や事象に対する眼差しを浮き彫りとし、個々の作品に新たな光を当てることを試みます。
作品と鑑賞者の接点としてみられる日常的なモチーフ。それが作家独自の視点で捉えられて表現される時、作品は私たちの想像力を刺激し、新たな視点を与え、考える道標となるでしょう。是非会場でご高覧ください。
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「Love, contradiction」
2023年2月1日(水) - 2月28日(火)
Kaigado, Window Gallery
Imperial Hotel B1 Arcade(帝国ホテルアーケード内)